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暗中模索を繰り返した40年 良質なミルクは土づくりから(二子山牧場有限会社)

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二子山牧場有限会社

代表理事: 橋本 正次

経営規模 乳用牛90頭(成牛60頭、育成牛30頭)、牧草地35ha
所在地 鳳珠郡能登町武連
URL http://blogs.yahoo.co.jp/himiko2131

何が悪いのか見つからず 途方にくれた入植当時

標高130mの山あいの牧舎に、ムシャムシャと美味しそうに草を食む乳牛の姿がある。この牧草づくりに数十年を費やしたという橋本 正次さんに、紆余曲折の苦労話を伺った。
 昭和40年、奥能登が国営開拓パイロット事業の対象となり、旧能都町と穴水町にまたがる二子山地区で農地造成工事が始まった。旧能都町生まれの橋本さんは、東京農大畜産学科を卒業後、ちょうど帰郷したころで、「この山で何かを始めてみたい」と思っていた矢先の出来事だった。
 山の地形をそのまま造成した山成開墾だったため、栗園造成が主体。橋本さんも入植し栗を植えたものの、まったく育たず全部立ち枯れダメになってしまったのだ。そこで路線を変え、大学で学んだ酪農への挑戦を決心した。
 昭和43年、夫婦2人で『二子山牧場有限会社』を立ち上げ、北海道から購入した数頭の乳牛からスタートした。畜産は知識では分かっていたものの、実際に取り組むのは初めて。乳牛の飼料となる牧草も栽培しようと、国や県の指導を仰いだ。
 造成する際に肥えた表土を削りとっているので、化学肥料でまかなえば良いという。しかし、栗園が枯れたときと同じで、化学肥料をやればやるほどうまく育たない。その考え方が間違っていたことに気づいたのは、それから数年先のことだった。

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死んでいた土を生かすこと 答えは偶然見つかった

「どうしたらいいのか」と悩む日々。そんなとき、養鶏会社から鶏糞はどうかと声をかけられた。化学肥料ではよい結果が得られていなかったため、すぐにその話に飛びついた。
 鶏糞を蒔いてしばらく野ざらしにしておくと雑草が生えてきた。その雑草が伸びたり枯れたりを繰り返すうちに、粘土質だった硬い土壌に無数の根が張り、鋤をかけるとさらさらの土に変わってきた。土中に空気が入り込み、まるで土が息を吹き返したかのように。結局、粘土質の硬くしまった土が息もできず死んでいたのだった。
 それからは、有機物が入り込んだ土に微生物が育ち、有機物の分解を繰り返しながら理想の土へと変わっていった。毎年5haずつ土地の改良を重ねていき、現在は化学肥料を一切使わない牧草をつくっている。
 肥料には鶏糞のほかに牛舎からでる牛の糞も加え、さらにモミ殻やオガクズを混ぜ込み発酵させて堆肥にして使う。
 自然のリサイクル肥料を入れた大地に育つ牧草は上質で、乳の味にも変化が出てきた。濃厚で甘みのあるミルクを生産できるようになったのだ。

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嫌われ者のヒエを牧草に 負を正に変えた発想の転換

苦労の甲斐があって、極上の土づくりに成功した二子山牧場。思わぬことに、もうひとつ嬉しい副産物が生まれていた。
 自然に生えてくるヒエの話だ。毎年、牧草を刈り取った後の8月から9月にかけて、牧場一面にヒエが生えてくるようになった。1m以上にもなる立派なヒエは、牧草に最適だという。
「何にもしなくてもタダで毎年生えてくるのだから、こんなにいい牧草はない。水田では嫌われるヒエだが、ここでは金の延べ棒に匹敵する」。
 知らない人が見ればこんな方法があったのか、と驚くに違いない。
「ここは水もいい。地下100mからミネラルを含んだ水を汲み上げて牛に与えている。人も美味しいと感じるやわらかい水だから」。
 そんな橋本さんのこだわりから生まれたミルクは、朝夜2回搾乳され、農協に出荷される。ほかの牧場のミルクと混ざるが、それはいたしかたないこと。二子山ブランドを立ち上げることはそう簡単ではない。
 しかし挑戦は続けている。5年ほど前から自社の生乳100%で添加物なしのソフトクリームとアイスクリームを生産・販売している。名づけて『感動のアイスクリーム』。橋本さんの長年の思いが凝縮されたようなネーミングだ。

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二子山牧場(有)(石川県鳳珠郡)【PDF:1.2MB】

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