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逆境から築いた「押水ブランド」 ペイント花木でニッチトップを狙う(JAはくい押水花木部会)

JAはくい押水花木部会

部会長: 野村 清志

経営規模 花木類 2.8ha、イチジク 0.2ha
所在地 羽咋郡宝達志水町紺屋町二133
URL http://www.is-ja.jp/hakui/

花木で生きて行くには新たな戦略が不可欠だった

 全国の花木マーケットで、「押水の花木」として日本有数のブランドを築いた『JAはくい押水花木部会』。
〝ニッチトップ型戦略〟という独自の路線を打ち出し、その会を20年に渡って引っ張り続ける農業人がいる。部会長の野村 清志さんだ。
 野村さんが農業を志してちょうど四半世紀が経つ。イチジク農家だった父親が倒れたのが29歳の時。その跡を継ぐためJAを辞め、新たに「花木」を加え農業をスタートした。元々古い産地で、花木が盛んな土地だった。
 当時はバブル崩壊直前で、絶頂期を体験する間もなく、バブルは弾け飛ぶ。
「右肩上りの優良品目だと思って花木を選んだが、バブル崩壊後、全く売れなくなった。稽古事に使う枝物を作っていた分、ダメージは致命的だった」花木で生き残るためには〝新たな戦略〟が、どうしても必要だった。
 さんざん考えた結果、県内の競合を避け、県外のマーケットに打って出ることを決意する。1992年のことだった。先輩を誘って共販グループを起こし、ヤナギに金銀のペンキで色付けした『ペイント花木』で勝負することを決めた。販路は当時の県経済連から、大阪東洋生花市場(現泉大津花き地方卸売市場)を紹介してもらった。だが・・・「今はナチュラル志向や。ペイント加工なんて売れる訳ない」評価は厳しく、まったく相手にされなかった。

うず高く積まれた「返品の山」に決意する

 都会の市場は厳しい。特に浪速商人が集まる大阪は一筋縄ではいかない。
罵倒され、当初は価格も県内の1/3に買い叩かれたが、「大阪で生き残りたいなら、まず顔を出せ」といわれた言葉を胸に、粘り強く通い続けた。
 取引が始まって2年目の秋。市場に出向いた野村さんは、生涯忘れられない光景を見る。一年前に納めた『押水花木』の箱が、通路に山積みになっていた。精魂込めて出荷した花木の返品の山。ショックで、その場に立ち尽くした。
「お前らに見せたくて、取っておいた」担当者の一言に、大阪の市場で成功するには何かが足りない、と痛感した。
「どこの産地にも負けん花木じゃないと勝負にならん。日本一の品質をめざすしかない」野村さんは腹を括った。
一本一本規格を揃え、等級別に箱詰めした。SMLだった規格を、分かりやすくセンチ単位に改めた。ロスを覚悟して、小ロットの注文にも応えた。
 活動を続けるうちに、若い野村さんたちの挑戦を応援する古参が現れる。当時の押水花木部会長が、価格が下がることを承知で出荷先を大阪に変更してくれたのだ。これで他産地と戦える、3万本の共同出荷体制が整った。

次代の「新しい種」を蒔く ニッチトップ型戦略

 大阪進出から5年、風向きが変わる。「品質が揃った品は押水にしかない。大手スーパー向けに、とりあえず5万本出荷してくれんか」市場を運営する磯野専務(後の会長)から大きな商談を持ちかけられた。それは押水の花木が『ブランド』として認められた証だったが、同時に全ての花木を全国に送ることを意味する。地元の市場から大きな反感も買うだろう。苦渋の決断の末、野村さんは全国進出を選ぶ。
 全国に狙いを定めた押水花木部会は連日専門家を招き、産地の分析を進めた。そこで決定した振興策が『ニッチトップ型のブランド戦略』だった。
「バラなど主役級の花では小さな産地に勝目はない。マイナー品目でも全国トップクラスになれば、ブランドとして活路が見い出せる」と踏んだのだ。
 選んだ道は正しかった。現在、全国シェア3位のペイント花木や1位のサンゴミズキなど、押水の花木は8割がネットの相対販売。農家の経営安定に繋がり、部会全体の販売額も10年で倍になった。その功績が評価され、野村さんは平成20年、中核農家経営改善共励会で県知事賞を受賞した。
「他産地に勝つには、どう付加価値をつけるか。新たな種を蒔き続けることや」時代に合わせ、次代の農業を切り拓く。押水ブランドの強さは、そこにある。

JAはくい押水花木部会(石川県羽咋郡宝達志水町)【PDF:1,004KB】

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