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「農業は生命産業」という信念を礎に 土を耕し、土に学び、土と生きる(久米農園)

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久米農園

農場長 : 米林 利榮

経営規模 ガラスハウス30a、ビニールハウス3.3a、加賀野菜(金時草、加賀太きゅうり、春菊)、トマト、ダイコン、カブ
所在地 かほく市箕打ロの42-乙

耕すことが教えてくれた 次代に伝える「農の知恵」

 「何を聞きに来た!」太い声が響く。 初めてお会いすると、怒っているのではないかと勘違いするほどの迫力だ。声の主は、かほく市箕打の中山間地にある久米農園の米林 利榮さん。4千坪の敷地に10のハウス(延べ千坪)が建ち並ぶ農場で40年間、加賀野菜に心血を注ぎ続ける農業人である。
 「スリッパ履いて、農業が出来るか」理論のみならず、実践の大切さを繰り返し力説する。言葉は厳しいが、その想いは真摯で熱い。教室だけでは、農の本質は掴めないという流儀なのだ。その深い知恵と経験を求め、石川野菜出荷研究会やいしかわ耕稼塾など、農業を志す方々の私設の学び舎となっている。あまり身体の大きくない米林さんが、ほ場に入ると大きく見える。農業人のオーラに溢れているのだ。
 松任農業高校に進んだ米林さんは「1/3は安定したもの。1/3は儲かるもの。1/3はチャレンジしろ」と先生から教えを受ける。その言葉を胸に、卒業と同時に就農。両親と金沢の久安で1.5haの水田を耕し、自作の木骨のハウスで野菜づくりに励んだ。しかし昭和47年に施行された新都市計画法によって市街化調整区域に掛かり、農地も移すこととなる。
 その機会をチャレンジだと捉えた米林さんは、誰も思いも寄らない行動に出る。それは自宅の久安から37km離れた高松までの〝通勤農業〟だった。

「農業は生命産業」 土と生きると見えてくる

 「ここなら気候風土もいい。道路も、電気も、水も揃っている。間違いない」直感した場所は高松の中山間地4千坪。なだらかな丘陵で風も穏やか。日較差があり、しかも赤土。条件は申し分ない。片道一時間の通勤だが、それにも増して土地に魅力がある。米林さんは腹を括った。28歳の決断だった。
 「この地で周年栽培に挑戦しよう」
100坪のガラスハウスを5棟建て、適地適作を考え金時草など加賀野菜に着手。周囲のススキなどが絶好の有機堆肥となり、念願の土づくりも開始した。ところで金時草を連作すると、普通は連作障害が起こる。しかし久米農園では何十年連作を続けても障害は起きない。土づくりが根本から違うのだ。有機肥料に加え、稲わら堆肥、米糠、おから、納豆菌、漢方薬の残渣を混ぜた『ボカシ肥』を入れる。すべては40年続けてきた土づくりの結晶なのだ。
 「農業は生命産業。だからこそ自然本来の力を大切にせんといかん」と古有(固有)品種の自根栽培にこだわり、安直な品種改良には難色を示す。理想の農業に邁進して40年。米林さんの野菜は美味しいだけでなく、瑞々しく精気に溢れ、驚くほど棚持ちがいい。

「耕すこと」を忘れたらこの国に未来はない

 アイデアマンとして知られる米林さん。久米農園のハウスには銀色に光るものが数多く林立しているが、よく見ると某メーカーのビールの空き缶。その数、1棟のハウスで約400缶。この銀色の反射光がアブラムシを忌避してくれるのだ。その効果は本人も自負しており、ビールメーカーも視察に訪れたという。
 能登の個々の農家から市場への出荷ルートを確立した『顔の見える能登の食材』も実際に成果を挙げたプラン。昨年は奥能登4市町で三千万の売上を記録した。その斬新なアイデアを求め、行政からの協力依頼も多い。初代『地域特産物マイスター(加賀野菜)』であり、石川県のふるさとの匠として農林水産物の『生産の匠』に選ばれ、グリーンツーリズムにおける体験指導者としても役職を担っている。
 「一に耕す。二に耕す。三に耕す」
農業は耕すことが全てという持論だけに、人を育てるために自らが先頭に立って耕す。この国の未来の農業のため、生涯一農業人として耕し続ける。
 「飛行機に乗るな。百姓は陸を行け」そうすれば他所の自然も農業も見えてくる。長男の格栄さんが後継者として育っている米林家には、そんな農業人としての家訓が今も守られている。

久米農園(石川県かほく市箕打ロ)【PDF:1,364KB】

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