能登山菜のページへ 6次産業化のページへ
HOME農業をもっと頑張りたい方へ農業で活躍している人たち石川のがんばる農業人土壌微生物が土を肥やしてくれる 答えはすべて「土の中」にある(エコ・ファーム奥野)
このエントリーをはてなブックマークに追加

土壌微生物が土を肥やしてくれる 答えはすべて「土の中」にある(エコ・ファーム奥野)

エコ・ファーム奥野

代表: 奥野 誠

経営規模 水稲 4ha、施設野菜(ビニールハウス 7棟)、露地野菜 50a
所在地 白山市若原町区内

空から「大地の生命」を感じ 土と生きることを決意

 「大空から白山麓の田畑風景を眺めるたびに〝地球は生きている〟と実感。この美しい大地と共に生きたい。いつしかそう願うようになりました」 奥野 誠さんは空から農業を志した。ハングライダー日本代表として富山から白山麓の鶴来に移り住み、空を飛ぶ毎日のなかで、大空ではなく、石川の大地に魅了されたのだ。
 『エコ・ファーム奥野』を立ち上げて17年。有機農業の先達と交流を深め、農薬や化学肥料を一切使わない農業を探求。〝栄養分を土壌微生物(バクテリア)に生み出させる農法〟を実践し、イセヒカリ(伊勢湾台風で倒れなかった奇跡の稲)や、トマトやキュウリなど露地野菜を自根栽培で育てている。
「肥料で土に栄養を与えるのではなく、土の中の微生物に適切な養分と環境を与え、その微生物が土を肥やし、その結果、作物が元気に育つ」それが奥野さんの農業の根幹を成している〝土づくり〟である。
 現在、エコ・ファーム奥野の農業を学びに、白山麓の鳥越若原にある小さなほ場には、県内外の大学や研究機関から、多くの農業関係者が見学に訪れている。日本各地から研修生も集い、その農法は全国に広がりを見せている。
今では石川の有機農業を牽引する一人に数えられるが、その道のりは平坦ではなく、ひとつひとつ自分の手で切り拓いた巌しい道の連続だった。

農地も見つからず販売する先もなかった

 最初の難関は農地だった。山麓ではなかなか貸してもらえず、ようやく候補地が見つかったのは冬だった。
「山間の谷の畑で環境もいい。タダだというので飛びついたが、雪が溶けてびっくり。何百本も木が生えている」
そこは施設の残土で造られた形だけの畑だった。抜根から始め、悪戦苦闘の日々が続く。水が湧き、猿害も酷い。満足する結果は残せない。それでも必死になって2年間続けていると、新しい農地の話が舞い込んできた。諦めない姿に、賛同者が現れたのだ。
 現在の鳥越に移り、収量も増えたが次の問題は〝どう売るか〟だった。
「市場に顔を出すと『年に何トン』という話になる。形が悪ければスーパーもダメ」当時は直売所も少なく、残された道は〝引き売り〟しかなかった。
「食べて旨かったら、買ってください」近隣の旅館や飲食店を周った。最初は相手にされなかったが、サンプルの野菜を幾度か届けると、徐々に注文が入り始めた。有機栽培の美味しさが、料理のプロ達に評価されたのだ。
 有機JAS認証を取り、スーパーとの取引も始まった。ようやく軌道に乗りかけた頃、なぜか収量が落ちてきた。

顕微鏡で見ると「自分の農業」が見える

 悩んでいたとき、知人の紹介で土を電子顕微鏡で分析する機会があった。
「仮説では出来ていたはずの土づくりが、まるっきり出来ていない」自信があっただけにショックだった。しかも一番の原因は、手間隙かけて作った『ぼかし肥料』によるカリ過剰だった。
以来、忙しい畑仕事の合間をぬって研究所に足を運び、定期的に顕微鏡で土や野菜を検査することを欠かさない。
「顕微鏡で見ると、すべて見える。うちのキュウリは細胞が大きく、ミネラルもある。市販のものはとんがった農薬が見える」自分がどういうものを作ったのか、どういうものを作りたいか、そのすべて明らかになるという。
 奥野さんにはひとつの哲学がある。『農業は実践がすべて』本をどれだけ読んでも、机上で農業はできない。
「有機栽培の他に無施肥、無農薬、自然栽培等もありますが、何が本当に安全安心なのか。同じ手法でも、環境や条件が変われば結果は全く違う」実践でしか答えは見つからないと断言する。
 作物の安全性をミクロの世界まで追求し、実践と検証をひとつひとつ丁寧に繰り返すその姿は、研究者でありどこか求道者のイメージがする。
『大切なのは土壌微生物のバランス』と顕微鏡で覗く土の中には〝農業の未来〟が見えているに違いない。

エコ・ファーム奥野(石川県白山市)【PDF:1,015KB】

▲ページTOPに戻る
 


公益財団法人いしかわ農業総合支援機構 〒920-8203 石川県金沢市鞍月2-20 石川県地場産業振興センター新館4F TEL076-225-7621 FAX076-225-7622 免責事項のページ 個人情報についてのページ お問い合わせのページ