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こんな時代だからこそ、農が輝く 日本一小さい専業農家の挑戦(風来)

風来

店主: 西田 栄喜

経営規模 年間50種以上の野菜(30a)
所在地 能美市大成町1-75
URL http://www.fuurai.jp/

農業の可能性を確信 ホテルマンから専業農家に

 「農業には無限の可能性があると思ってこの仕事に就きましたし、いま実際にそう確信しています」と正面を見据える『風来』店主の西田栄喜さん。日本一小さな専業農家として、サービス業の視点を大切に『小さく豊かに暮らす農業』を実践する農業人である。
 接客が大好きだった西田さんは大学卒業と同時にバーテンダーとなり、サービス業の基本を上司から3年間徹底的に叩き込まれる。その後、ワーキングホリデーで豪州に渡り、帰国後ホテルの雇われ支配人となるが、あまりの多忙さから30歳を前に退職。地元石川にUターンし、就農を決意する。
 「戻った当初は飲食業を考えてましたが、当時、地元の良い野菜は都会に流れて手に入らない。家には田んぼも畑もあるので、自ら食材を育てたらどうだろう」と図書館で調べてるうちに農業の大きな可能性が見えてきた。
例えば「農家が漬物を作る」のでなく、「漬物屋が自家菜園を持っている」と視点を変えれば、高い付加価値を提供できる。最初の一歩として、母親が得意だったキムチ作りに的を絞った。
キムチに合いそうな品種のハクサイを何種類も育て、ニンニク、トウガラシ、ショウガと完成形のキムチから全部逆算した。そして完成した風来の『種から語れるキムチ』は他の漬物屋には真似できない強い商品となり、予想通り評判を呼ぶことになる。

日本一小さい専業農家の 「ミニマム主義」農業

 有機農業を核とした風来は、西田さんの農業ビジネスの拠点。自宅を兼ねた直販ショップの隣りに畑があり、野菜作りから漬物加工、販売までのすべてを一カ所で行なっている。いわば個人で6次産業化を実践している訳だが、その農業経営の根幹には最小限にこだわる『ミニマム主義』がある。
「忙しすぎる仕事が嫌で石川に戻ったのですから、今度こそ農業で幸せなろうと決めました。その中で生まれたのがミニマム主義です。面積や規模が小さい分、土地の活用や時間の効率がアップします。大きな機械を買う必要がないので、借金をする必要もない」
 実際、ほ場は約30aとサッカーコート半分ほど。統計上「販売農家」とされる最小単位も30a。自他共に認める、日本一小さい専業農家ということになる。
「わが家では毎年、幸せに暮らしていくのに幾らあればいいと家族で売上目標を定めます。売上が5%足りなくても、5%多くても反省します」多すぎた分、家族との時間や自分の時間が足りなかったと考えるからだ。ミニマム主義で一家を養い、ゆとりの生活を楽しむ。小さな農家だからこそ実現できる、理想の暮らしがそこにあった。

命の価値観でみると 農は時代の先頭に躍り出る

 四季を通じ50種類以上の野菜を無農薬で育てている西田さんは、自ら手がける風来のホームページで10年以上も直販を続けている。開設当時から人気は高く、今では約8割の方がリピーターになるというから驚きだが、そこにも秘訣があるという。
「沢山の方がうちの野菜を買ってくださるのは、私が毎日書いている『風来畑日記』を読んで、安全安心を感じ取っていただいているから。こういう暮らしをし、このように野菜を育てていますという裏表のない情報発信を続けることは、高い付加価値を生む」とネットでの成功を分析する。
 西田さんには忘れられない一通のメールがある。化学物質過敏症の女性から届いたメールで「風来の野菜は大丈夫でした。これで生きていけそうです」と感謝の言葉が綴られていた。
以来、命の元である食を育てている農業は、仕事の枠を超え『人を幸せにする産業であり、究極のサービス業だ』と実感するようになったという。
 いま社会の価値観は大きく変化し、誰もが健康と長生きを求めている。
「命の価値観で見れば一番価値が高いのは粗食で、農業の明日はそこに見いだせる」西田さんは未来を予見する。時代の最後尾にいた農業が、次代のトップランナーになる日は遠くない。

風来(石川県能美市)【PDF:996KB】

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