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干拓地を「拓き栄え」させた先見の明 子へ孫へ伝える、この国の農業の夢(東田農産)

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東田農産

代表 : 東田 郁三

経営規模 水稲43ha、大麦16ha、大豆17ha、育苗6万5千枚
所在地 小松市拓栄町392

減反と土壌改良から 干拓農地の夢がスタート

 加賀三湖開拓事業で誕生した小松の干拓農地に根を下ろし、80haに及ぶ県下有数の大規模農業経営を営む東田農産の代表・東田 郁三さん。奥さんの敏子さん、息子さんの耕作さんと共に、干拓地を耕し続ける筋金入りの農業一家である。入植し四十数年経つが、そのスタートは甘くなかった。
 「兼業農家に戻るか。規模拡大に進むか。あの頃が人生の分岐点だった」昭和四十五年、意気揚々と干拓地に入った28歳の東田さんは、厳しい現実と直面していた。ちょうどその年から国の減反政策が始まり、有無を云わせず1haの減反を余儀なくされた。頼りのほ場は、カゴ車輪付耕うん機でも苦労する底なし状態。トラクタなど、とても入らない。その上pH3程の強酸性土壌。夏になると稲の葉が赤く枯れ、満足な収量にはほど遠かった。
 「強酸性や超湿田は土壌改良や暗きょ排水などでなんとかなる。それよりも湖底に堆積した肥沃な土壌により、将来は有望な農地になるはずだ」
干拓農地への挑戦がスタートした。
 何年もの間、10a当り500kgの生石灰を投入。100mも板を敷いて、一家総出で、一輪車で何トンもの砂を運び込んだ。徐々に、ほ場は安定。大型機械も入り収量も増大。信頼の農業経営が地域でも評判となり、時代の声に応え周辺の農地が集積。夢であった、大規模経営へと踏み出すことになる。

これまで四十数年間の 栽培データが全てを物語る

 「農業は、やればやるほど楽しく、努力をすればするほど、すべてを教えてくれる」そう語る笑顔は穏やかだが、自信に溢れている。品質はもちろん、収量にも徹底してこだわる流儀。一年の成果が数字となる収量は、農家として括目すべき指標だと考えているからだ。東田農産は平均して『9.2〜9.5俵』は下らない。大きな経営規模にしては、驚くべき実績を誇る。
 「干拓地に入ってから今までの栽培データを、全て持っている。稲は絶対に倒さない自信がある」と胸を張る。稲と土の個性を照らし、適地適作の米作りを行なう。苗と苗の間を広く取る〝疎植〟にも経験という名人芸が光る。東田農産の米は、苗が太く丈夫に育ち、稲穂が垂れるほど収量は高い。
 また安定した農業経営のため、いち早く育苗販売も手掛けた。苗の生産量は前年6万5千枚。結果、冬の仕事を確保でき、年間雇用が可能となった。真摯に農業と向きあえば、実践が学ばせててくれた。今では二百余りの農家に出荷。苗の数だけ信頼を集めるが、その分「農地を頼む」と言う声には弱い。故郷の農業を想うほど、条件が厳しくても、つい引受けてしまうのだ。

日本の農業には 「拓く」「栄える」力がある

 「思えば四十数年前、わずか八戸の農家と共に干拓地に入植。新天地を『拓栄町』と名付けたのも、つい昨日のようだ」と当時を懐かしく振り返る。以来、休むことなく干拓地と向き合い、地域にエネルギーを注ぎ、いかなる時代も先を見通し、農業で次代を切り拓いてきた。5haからスタートした農地も、大きく広がり、栄えた。
 これからの夢を尋ねられると「100haの経営規模をめざすこと」「親子三代で農業を貫くこと」と答える東田さん。それには理由がある。
この国の農地は二〜三代に渡って築くものだ、という持論があるからだ。
 生命の根幹〝食〟を担う農業は、どんな時代だろうと強い。しかしこれからのこの国の農業には、大規模の視点が欠かせないという。自分の代はその礎、大きな花を咲かせるのは子の代、さらに次の世代だと確信している。後継者は一朝一夕に育たない。幼い頃から農業にふれる環境づくりが、後継者づくりに繋がっている。東田農産のほ場には、いつもお孫さんの姿がある。
 日本の稲作農業経営の先駆けである東田さんの歩みは、米作りで生きる豊かさと可能性を示している。農業を基軸に次代を拓く知恵は『父から子、そして次の世代へ』と、干拓地の農業人に受け継がれて行くに違いない。

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東田農産(石川県小松市拓栄町)【PDF:1,243KB】

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